乙女は白馬に乗った王子を待っている
「………もしかして、妬いてる?」
「なっ! 妬くって何ですか!! 私がそんな、社長に妬くわけ、ないじゃないですか。あた、あたしは、ただ………。」
……その後は言葉にならなかった。
さやかのためにはとっておきのデートプランをたてる社長。
あたしとは、そこらへんの居酒屋。
田中さんが来ると、安心して早く帰れる社長。
あたしだったら、心配で全部自分でチェックしてしまう社長。
あたしは、全然社長の眼中に入っていない。
ゆり子はわんわんと子どものように泣いた。
悔しくて、情けなくて胸が張り裂けそうだった。
「……ばんになりたいんです。」
「え? 聞こえない、もう一回言って、権藤。」
「だから、あたし、社長の一番になりたいんです。」
「………」
「あた……、あたしを差し置いて、さやかに良くしないで。
あたしを…ヒック…一番大事にして…。ヒ、ヒック……た、田中さんばっか…ヒック…りじゃなくて、ヒック、
あたしのことも、もっとアテにし……。」
大泣きしたせいで、鼻水は出てくるし、しゃっくりは出てくるし、興奮しすぎて何を言ってるかわけがわからなくなるし、
………最悪だった。