乙女は白馬に乗った王子を待っている

「今から……、デート?」

「うん。」

「何だ、やっぱりうまくいってるんじゃない。よかったね。」

「……ねえ、ちょっと早く出て来ちゃったから、時間があるなら軽くお茶しない?」

何で翔太を誘ったのか、さやかにもよく分からなかったが、何となく翔太と軽く話でもして気分をほぐしたい気がした。

久しぶりのデートなので、ちょっと緊張しすぎているのかもしれない。

「そんな、デートの前に他の男とお茶なんて良くないんじゃないか。」

真面目な翔太は遠慮したが、

「そこのファーストキッチンでドリンクを飲むだけだよ?」

翔太の手を軽く取って歩き出す。

ドキッとしたのは翔太の方だった。
ぱっと手を離す。

「わかった、わかったから、そんなに早く行かないで。」


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