乙女は白馬に乗った王子を待っている
イヤな予感がする。ゆり子は恐る恐る聞いた。
「何ですか、続きって。」
「『例え失敗に終わったとしても』だ。」
呆れた……、失敗前提なら、全然『永遠の愛』じゃないではないか。
やっぱり高橋は何を考えてるのかわからない。ここは一つ『永遠の愛』を信じて欲しいのだが。
ゆり子が上目遣いで高橋を軽く睨んで抗議の意を示すと、高橋はくすくすと笑って、ほっぺたにちゅっと軽く唇をあてた。
「……ずるくないですか。」
高橋は笑みを崩さない。
「永遠の愛を誓いたくなる?」
「……ずっと、その笑顔を私に向けてくれるなら、なります。」
「じゃあ、権藤がオレを笑顔にしてくれる?」
「私が、ですか? 自分でやってくださいよ、それぐらい。」
「そんなこと、言っていいの? オレの笑顔を見たいっていうコはたくさんいるよ。」
また、そういうことを言う!
ゆり子が怒ろうとした時、高橋はニコッと笑った。
極上の笑みだ。
「ほら、サイコーの笑顔で権藤の愛に応えてあげる、って言ってるんだから、権藤もオレの愛に応えてよ。」
可愛げのあるその笑顔に癒される。
くだらない揚げ足取りなんかどうでも良くなってきた。
「そうですね。社長のその笑顔がいつでも見られるように二人で楽しくやっていきましょう?
私、その笑顔が大好きですから。」
「死ぬまでずっと?」
「はい、『永遠の愛』を誓うんですから。」
「良かった。」
今度は、ゆり子の唇の上に熱くて情熱が溢れ出そうなキスを落とした。