乙女は白馬に乗った王子を待っている
高橋は、ゆり子の反応を十分に楽しんだ後、穏やかな落ち着いた声でつけ足した。
「カッカしたって、山村さんの挨拶が上手くなるわけじゃないんだから、そう感情的になるなよ。
山村さんが面白がって、わざと怒らせるようなことを言ってたの、気付かなかっただろう。」
「は!? 何ですか、それ。」
「山村さんて案外、冷静で観察力が鋭いぞ。お前、からかわれてたぞ。」
十以上も下の女の子にバカにされていたのを、高橋がにやにやしながら見ていたのを想像すると、かーっと頭に血が上った。
「どうして、分かってたなら助け舟だしてくれなかったんですかぁ!」
「だから、今アドバイスしてるじゃないか。落ち着いてカッカせずにやれよ、って。興奮しすぎると状況が冷静に見えなくなるぞ。」
「………。」
「とにかく明日も頑張って下さい。」
高橋は爽やかに笑った。