乙女は白馬に乗った王子を待っている

その後、高橋はさやかを自宅に連れて行った。
さやかの手を取ってドアを開けた時、彼女の手は震えていた。
男と付き合った事がないのなら、男の部屋に入るのももしかして初めてなのかもしれない。

部屋の中に入って、ワインで乾杯をする。

「お、おおいしいですね。このワイン。」

ぎこちない手つきでワインを飲むのを見て、高橋は微笑を禁じ得なかった。ゆっくりと手を重ねる。

「もう少しリラックスしてよ。」

「……は、はい。」

そういったきり、二人は無言でワインをすする。
ワインをすする音だけが部屋中に響き渡っているような気がする。気まずい沈黙に、高橋はテレビのスイッチをひねった。

「あ!」

テレビをつけたとたん、さやかが小さく声を上げた。

「あの、ドラマ、見ていいですか?」

いきなりの勢いに高橋はちょっとたじろいだ。

「え? う、うん。もちろん。」


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