乙女は白馬に乗った王子を待っている

話は、一晩でも二晩でも続きそうな勢いであったのに、それでも高橋がちょっと席をたった間に、さやかはこてんと眠りに落ちてしまった。高橋が戻って来た時には無邪気な寝息を立てていた。

高橋が連れ出して、男の部屋にいきなり来たものだから、緊張のあまり疲れ果てたのかもしれない。初めて男のうちに来たのに、すうすう眠ってしまうその無防備さに少々呆れつつも、屈託のなさが微笑ましくもあった。

高橋は、さやかをベッドまで運ぶと、自分はリビングのカウチでうとうとした。

それから次の朝、さやかを送り出してから、日曜日の計画をあれこれ考えた。

派遣登録希望者の聞き取り調査のスキルがここでも役に立ったのだろうか、夕べの話から、さやかがどんなデートを望んでいるかは一目瞭然だった。夕べのはにかんだ笑顔を思い出しているうちに、完璧なデートを演出したくなってきた。

横浜までドライブをして、中華街のあたりを散策して、その後、ディナークルーズで食事をしてはどうだろう。
男慣れもデート慣れもしてなさそうなさやかなら、きっと喜ぶに違いない。高橋は、早速ラップトップを前にいろいろ調べ始めた。




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