乙女は白馬に乗った王子を待っている
全くその日のデートは、プランを立てた高橋自身が驚くぐらい思い通りにいった。体験をそのまま雑誌に載せてしまえそうなほどだった。
中華街をぶらぶら歩きながら雑貨屋を覗いたり、店頭で買い食いしたりするだけでも、さやかは楽しそうにコロコロと笑う。
港のそばの公園では、ジャグリングをするパフォーマーやトロンボーンをかき鳴らすミュージシャンもいて、賑やかだったから、散策しているだけでデート気分が盛り上がる。
「デートって楽しいですね。」
「満足してもらえた?」
「もちろんです。」
さやかの満足げな笑みを見れば、高橋もプランを立てたかいがあるというものだ。
横浜の夜景を見ながらのディナーも申し分なくロマンチックだった。
「今度はあの観覧車に乗ってみる?」
「うわぁ、高いところから見る夜景も素敵でしょうね。」
子どものように目をきらきらさせる。近いうちに連れて行ってあげよう、と思いながら高橋は、グラスにシャンパンを注いだ。
「僕たちの初デートに。」
乾杯をすると、カチンと透明な音が耳に心地よく広がった。