乙女は白馬に乗った王子を待っている
ゆり子は誰もいないマンションで一人ごはんをつまむ。

作り置きして冷凍しているご飯をチンして、納豆と野菜炒めで食べた。つい、大安売りしていたキャベツを一玉買ってしまったので、毎日野菜炒めとコールスローを作ってせっせと食べているのだが、さすがに飽きてきた。
それでも、捨てることになってしまったらもったいない、と思って、多めに作って無理やり食べる。

テレビを見ながら一人で食べるご飯はさすがに味気なかった。

ご飯の後、一息入れて、簡単な家事などをすれば結構いい時間だ。
ホントは、もっと友だちと飲みに行ったり、少し習いごとなどもしたかったのだが、いかんせん先立つものが十分でないので、習い事などという贅沢はとてもする気になれなかった。

それに……、ゆり子は、結局何をしたいのか、ということも自分でよくわからなかった。
安定した職業について、バリバリと仕事をしたい、という漠然とした希望みたいなのはあっても、具体的に何をどうすればそうなれるのか、ということになるとさっぱり見当がつかない。

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