乙女は白馬に乗った王子を待っている
「翔太と一緒だったの?」
「うん。夕飯食べに来たから、バイトが終わるまで待ってもらって一緒に帰って来た。」
「ふ―—ん……。」
「つくづく翔太っていいヤツだよねぇ。ゆりちゃん、翔太と付き合えばいいのに。」
「…………」
こんなとき、多分、人は鈍感な方が幸せな人生を歩めるのだろう、とゆり子は思わずにいられない。
ゆり子が無言でいると、さやかは続けた。
「それともさ、東城さんの方がいい? ほら、合コンの時の、頭がうすくて、お腹の出てた人。
なんかゆり子のことすっごく気に入ったみたいだよ〜、また会いたいって言ってるんだって。」
「……そう。」
「高橋さんがそう言ってた。だから、今度は四人でどっか飲みに行ったらどうか、って。」
「いや、私は遠慮しとくよ。」
「えー、何で。東城さん、ゆり子とお似合いじゃない?」
あんた、今、頭がうすくてお腹のでてた人、って言ったじゃんよ。お似合いってどういうことだよ。
「それに、横山くんと麻衣を呼ばなかったら、それもちょっとヘンじゃない?」
「あー、あの二人も付き合ってるみたいだよ。」
「まじで!?」
初耳だった。
麻衣ってば、いつの間にそんなうまいことをやったのだろう。