乙女は白馬に乗った王子を待っている
自分以外は、みんな適当によろしくやっているのだと思うと、気分はますます憂鬱になる。

会社に行くのがひどく億劫だった。会社につけば、高橋と二人っきりになってしまうし、外回りで高橋が出てしまえば、一人で留守番だ。人間関係の煩わしさはないものの、一人パソコンの前で座っていると、どうしようもない焦燥感がゆり子を襲う。

せめてもう少し、仕事があれば、気が紛れるのだが……。

ゆり子は、自社のホームページを開く。
いかにも間に合わせで作った感じのホームページだ。もちろん、立派なホームページの会社がいい会社だと限らない、というのは、何十社も派遣登録してきたゆり子はいやというほどわかっていたが、それでも、こんなしょぼいホームページしかない会社では問い合わせてみよう、という気も起きない。

ゆり子は暇つぶしも兼ねて、ホームページの修正を試みることにした。
と言っても、一応管理画面に入ることはできるが、ホームページの作成なんてやったこともない。
それでも、おっかなびっくり、少しずついじってみた。


< 79 / 212 >

この作品をシェア

pagetop