乙女は白馬に乗った王子を待っている
午後の遅めの時間には登録希望者の面接がぼちぼち入っているので、それまで、電話番をしながらパソコンに向かった。
手探りでいろいろ試していると、あっという間に時間は経ち、高橋が事務所に戻って来た。
「今日、誰か面接に来る予定だったよな?」
「はい。二人ほどいらっしゃいます。3時半と4時半に来られる予定です。」
スケジュール表などで確認するまでもない。こんなにスカスカの予定であれば、ゆり子は即答できた。
「それから、あの、社長、ちょっとホームページを修正してみたんですけど、見てもらえませんか?」
「どれ?」
パソコンに向かっているゆり子の背後から高橋が身を乗り出して画面を見る。
顔がくっつきそうな距離で高橋の息づかいが聞こえてきそうだった。
高橋は真面目な顔で画面を見つめている。
なのに、ゆり子は横目でちらちらと高橋を盗み見していた。
高橋の端正な横顔は、至近距離で見てもやっぱり端正だった。
「……じゃないか?」
「え?」
気がつけばゆり子は惚けたように高橋の横顔に見とれていて、我を忘れていた。