乙女は白馬に乗った王子を待っている
「はあ!? だって、給料を出せないって、田中さんに辞めてもらったんじゃなかったんでしたっけ?」
「そうなんだよ。田中さんは、子どものいるシンママだろ?
給料の遅配とかになったら大変だから、もうちょっとちゃんとした会社を紹介したんだ。今はそこで働いてるよ。」
「そうなんですか、良かった……って、ちがーう!! アタシにもそういうところ、紹介して下さいよ。
アタシもちゃんとした会社で働きたい……、うううぅ。」
ゆり子は大げさに泣くふりをしてみせた。
大体、この高橋という男、軽すぎるのだ。
黙ってりゃ、引き締まった身体に甘いマスクでこじゃれたスーツを着たその姿は、ファッション雑誌のモデルと見まごうほどイケてるのに、ちょっと口を開くと、軽薄なナンパ野郎に早変わりしてしまうのだった。
「じゃ、オレと一緒に営業に行くか? でもなー、万一、問い合わせがあった時とかに、電話に誰も出ない、とかずっと留守電だったらいかにもアヤシイからな〜〜。
やっぱり電話サービス頼むしかねえかなあ。しかしなあ……」
高橋は腕を組んで考え込んでいる。
「そうなんだよ。田中さんは、子どものいるシンママだろ?
給料の遅配とかになったら大変だから、もうちょっとちゃんとした会社を紹介したんだ。今はそこで働いてるよ。」
「そうなんですか、良かった……って、ちがーう!! アタシにもそういうところ、紹介して下さいよ。
アタシもちゃんとした会社で働きたい……、うううぅ。」
ゆり子は大げさに泣くふりをしてみせた。
大体、この高橋という男、軽すぎるのだ。
黙ってりゃ、引き締まった身体に甘いマスクでこじゃれたスーツを着たその姿は、ファッション雑誌のモデルと見まごうほどイケてるのに、ちょっと口を開くと、軽薄なナンパ野郎に早変わりしてしまうのだった。
「じゃ、オレと一緒に営業に行くか? でもなー、万一、問い合わせがあった時とかに、電話に誰も出ない、とかずっと留守電だったらいかにもアヤシイからな〜〜。
やっぱり電話サービス頼むしかねえかなあ。しかしなあ……」
高橋は腕を組んで考え込んでいる。