雨音の周波数
「別に嫌だとは思わないよ。春香と何かがお揃いになるなら嬉しい。お揃いにするなら一番簡単なストラップがいいとは思うんだけどさ。俺、ストラップつけると服のボタンとか指とかに引っ掛けてすぐ壊しちゃうから。だからアドレスをお揃いにする方法はないかなと思って」

 ノートにいくつものアドレスの候補を書き連ねる圭吾を見て、一人ニヤニヤしていた。圭吾のこういう優しさをすごく好きだなと思った。

「ほら、春香も考えてよ」
「そうだな。お互いの誕生日を入れようか」

 圭吾が握っているシャーペンを抜き取り、ノートに書いてみる。

"0810xharuka"
"0422xkeigo"

「自分の名前の前に相手の誕生日を入れるの。それでこのxはバツの代わりね」
「いいかも。これにしようよ」

 私たちは早速アドレスを変更して、一括送信で友達にアドレスを変えたことを伝えた。

 圭吾とお揃いのものができた私はこのアドレスを一生変えないと思っていた。そんなことは無理な話だ。

 でもその時は、そんなことが当たり前にようにできると信じていたんだ。

  * * *

 高三に上がり同時に受験生になった。

 私と圭吾は同じ大学を受験することにした。圭吾の部屋で大学案内の本やネット、学校からもらった資料を参考にしながら、希望の大学を探した。

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