雨音の周波数
予備校で行われた模擬試験の結果があまりよくなかった圭吾はかなり落ち込んでいた。あと二週間もすれば期末試験になる。
とりあえず期末試験が終わってから伝えようと決めた。
期末試験最終日、受験生も息抜きということで、圭吾と帰りに映画を観に行く約束をしていた。
試験が終わり、学校中が解放感に包まれる。圭吾のクラスに行き、教室をのぞいた。でも圭吾はいなかった。たまたま出てきた女子に「石井いる?」と聞いてみた。
「他のクラスの子に呼び出されてたよ。それで、その子と一緒に出て行ったけど」
「ありがとう」
私は適当に校舎を歩きながら圭吾を探した。
三階の渡り廊下を歩いていると、プールが視界に入ってきて思わず立ち止まる。
いいな、プール。来年は圭吾と行きたいな。
そんなことを考えながらプールを眺めていると、プールを囲うフェンスの近くに人影が見えた。そこは細い道になっていて校舎への抜け道として水泳部がよく使っている。校則では通り抜け禁止になっている所であるが、隠れおさぼりスポットとなっている。
人影がなんとなく圭吾に見えて、私は走ってプールへと向かった。
プールのフェンスに身を隠しながら進むと、人の話し声が聞こえてくる。その声は圭吾と女の子の声だった。
「でね、すっごく大変で」
「あのさ、そんなどうでもいい話をするためにここに連れてきたわけ? 大事な話があるって言うからついてきたんだけど。俺、このあと予定あるから」
圭吾は面倒くさそうに言った。
とりあえず期末試験が終わってから伝えようと決めた。
期末試験最終日、受験生も息抜きということで、圭吾と帰りに映画を観に行く約束をしていた。
試験が終わり、学校中が解放感に包まれる。圭吾のクラスに行き、教室をのぞいた。でも圭吾はいなかった。たまたま出てきた女子に「石井いる?」と聞いてみた。
「他のクラスの子に呼び出されてたよ。それで、その子と一緒に出て行ったけど」
「ありがとう」
私は適当に校舎を歩きながら圭吾を探した。
三階の渡り廊下を歩いていると、プールが視界に入ってきて思わず立ち止まる。
いいな、プール。来年は圭吾と行きたいな。
そんなことを考えながらプールを眺めていると、プールを囲うフェンスの近くに人影が見えた。そこは細い道になっていて校舎への抜け道として水泳部がよく使っている。校則では通り抜け禁止になっている所であるが、隠れおさぼりスポットとなっている。
人影がなんとなく圭吾に見えて、私は走ってプールへと向かった。
プールのフェンスに身を隠しながら進むと、人の話し声が聞こえてくる。その声は圭吾と女の子の声だった。
「でね、すっごく大変で」
「あのさ、そんなどうでもいい話をするためにここに連れてきたわけ? 大事な話があるって言うからついてきたんだけど。俺、このあと予定あるから」
圭吾は面倒くさそうに言った。