兄妹愛‐kayane and kazune‐
「………茅音?」
後ろから、駿君の声が聞こえた。
駿君にすごく申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
………あたしは、
なにしてんだろ。
「なんだって?怒ってた?」
ああ、心配してくれるんだ。
こんなに酷い奴なのに。
ありがとう、
駿君は優しいよ。
駿君以上に、いい人はいない。
だけど、ね。
あたし、まだ駿君のこと完全に好きになれてないんだ。
駿君はそれを知ったら、
あたしのこと、嫌いになる?
「ううん、わかったって」
「そか、よかったな。
冷えるから、中入んな。」
「………っ」
駿君の優しさに、自然と涙が出た。