love square~四角関係なオトナ達~
そんなワクワクするあたしを乗せた車はファームの駐車場に到着。


もちょっと隣に乗っていたかった…気もする。


エンジンの音も、ウィンカーのカチカチも工藤のハンドルさばきも嫌いじゃ…ナイから。


「今日はありがと。色々出費させちゃって…でも、どれも大切にするね…?」


「こちらこそ。仲直りと薬指、ありがとうございました。荷物は私が部屋へ運んでおきますので、“残業バトル”頑張ってください」


「うん。じゃあ…」


「姫葵さん、忘れ物です」


「ん…?───っ…」


助手席のシートでもらったのは。


ミント味の優しい…キス…。


昼間のとは全然違う、とろけるような甘い甘い口づけは、あたしの脳を麻痺させる。


工藤のキスは。


色んな気持ちの味がする。


寝ている時にくれたのは、きっと温かい気持ちの味。


二日酔いの日は胸がきゅっ…となるような甘酸っぱさ。


今日の誤解の焦りの味。


今の気持ちは。


ただただ優しさに溢れたぬくもりの味。


静かに離れたその唇にあたしは手を伸ばして。


コロコロと味を変えるこの口に何か仕掛けがあるのかも、なんて。
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