love square~四角関係なオトナ達~
陽が落ちかけている畑へ出て、あてもなくフラフラと裸足のままかぼちゃの苗の間を歩く。


昨日の雨にも風にも耐えて、しっかり根をはり土にしがみつく植物達。


行き場をなくして根をはれずに気持ちの定まらないあたしなんかとは違って、強い緑はまるで、


「弱虫だね」


「意気地なしだね」


って、囁いているように思えた。


誰にも寄りかかれないこんな時だからこの大地に、自然に全てを委ねたいのに。


暗くなりかけた空に不気味に浮かぶ山は冷たい風しかくれない。


いく兄ちゃんの隣に行けば、あの頃のようになぐさめてくれるのかな…。


でもそれは、あたしの“正直”ではない。


一時の“ごまかし”でしかなくて。


結局自分も、追ってきてくれた工藤も、拳を痛めた春流も、その場しのぎで癒やしをくれるいく兄ちゃんも誰も救われない。


春流の言う通り正解のない椅子とりゲームは、残された誰かを傷つけるほどけない四角関係。


あたしは。


誰を求めて何にすがればいいのかわからないまま、夜と途方に暮れた。
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