love square~四角関係なオトナ達~
「その言葉に私は再び絶望へと墜ちた。美櫻を救えなかったこと、美櫻の感謝の気持ちさえも伝えきれなかったこと、何年もかけた月日を悔いました。 自分には何もできやしなかったと、無力さとバカな自分を責めて、恩人である社長にも………あなたのせいで私は愛する妻を失ったんだ、と、そんな言葉を投げつけていました」
「誰のせいでもない哀しさ…だね…」
「今となってはそれがわかるんです。ただ、当時は、その哀しさの行くあてすら見つけられなかった。 そんな私に社長は社長の奥さま───姫葵さんのお母さんの写真を見せてくれたんです。『同じだった』と。姫葵さん、あなたのお母さんも美櫻と同じ病気、骨髄の不適合で苦しみながら亡くなっていったのですね」
「うん…。あたし、小さかったけど、よく覚えてる。ママは『ありがとう』そう言って亡くなったの」
「誰のせいでもない哀しさ…だね…」
「今となってはそれがわかるんです。ただ、当時は、その哀しさの行くあてすら見つけられなかった。 そんな私に社長は社長の奥さま───姫葵さんのお母さんの写真を見せてくれたんです。『同じだった』と。姫葵さん、あなたのお母さんも美櫻と同じ病気、骨髄の不適合で苦しみながら亡くなっていったのですね」
「うん…。あたし、小さかったけど、よく覚えてる。ママは『ありがとう』そう言って亡くなったの」