love square~四角関係なオトナ達~
「ねぇ?」


「ハイ?」


「ううん…何でもない。ね、仕事って…あたしがするの?」


「他に誰が?」


瞬時に冷酷メガネに変わった工藤が(カメレオンめっ)広げたのは、つなぎの作業着。


「………」


「今日から畑に出ていただきます」


「はぁッ!?」


「事前にダダをこねられることは想定内でしたので、ネイルを保護する軍手も日焼け止めも用意してあります。準備が済み次第、事務所へ降りてきてください」


有無を言わさぬ早さで部屋を出て行った工藤に文句を言う隙もなく。


昨日までのカワイクナイあたしに戻るのも…ほっぺにちゅぅの効果ではないが。


何より働けないただのワガママ浪費お嬢と思われるのは心外だ。


日焼け止めを丁寧に塗って、見たことはあるけど初めて袖を通すつなぎ。


バッグの中の簡単なメイク道具じゃいつものあたしの顔になれないから、あえてスッピンで。


化粧して泥まみれ、っていうのも笑っちゃうし、ね。


長い髪を1本にくくって事務所へ降りると。
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