love square~四角関係なオトナ達~
崩れるようにベッドに横になると、悪寒がしてガタガタと震えがくる。


「待って。今、社長呼ぶから」


つなぎのポケットからスマホを出す春流の手を止めた。


「ダメだよ…。仕事中だもん、邪魔したくない」


「あ。そっか…今日、フランスから…」


「少しでいいの。ここに居させてくれる?」


「うん、わかった。ちょっと待ってね。体温計…」


少し離れて体温計を持って戻って来た春流は、あたしのつなぎのファスナーを少し下げた。


「呼吸、楽にしよ?」


口にくわえた体温計は、38,6℃。


「風邪ってゆーより、知恵熱っぽい感じかなぁ」


「知恵熱…?」


「急な環境の変化でさ、心と体のバランスがとれないってゆーか。大丈夫…じゃ、ないよね?」


「ううん。なんか病気じゃないってわかったら、少し安心する…かな」


「じゃ、ボク、ここに居てもいい?」


「ん…」


春流はただ手を握って隣に居てくれる。


寒気だけは残ってるけど、じきに吐き気も震えも止まって。


「寒いね…」
「暑いね?」


が、同時にかぶる。


口元を押さえて真っ赤になる春流。
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