溺れる恋は藁をも掴む

溺れる

 百合の裸を見た。

 女の人の肌は、柔らかく温かいんだと、初めて知った。

 男の裸と違い、丸みを帯びたフォルムは、女性の象徴であり、綺麗だと思ったよ…


 百合は恥じらい、見たい部分を隠す。
その手をどけると、もっと恥じらった。


 「いや‥‥‥そんなに見ないで‥‥」
声がかすれた。

 「百合‥‥綺麗だよ」

 百合とこうなりたかったんだ。

 10代の健康な男に、その欲望を上手く抑えるなんて無理な話だよな…

 嬉しい反面、緊張もした。

 心臓がドキドキしてきてさーー

 でも、堪らなく愛しくてーー


 好きで好きでたまらない百合が、この腕の中で喘いでいた。


 純粋な気持ちで、百合との距離を縮めたかったんだ。
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