俺様彼氏はShy Boy?
『今日、暇?』
ある日の放課後。
委員会で遅くなったあたしは、誰もいない教室で帰りの支度をしていたときのことだった。
不意に後ろから声が聞こえて、ビクッと身体が跳ねた。
突然だったからビックリしたのもあるけれど。
それだけじゃなかった。
聞こえてきたのは、いつも聞き耳を立ててた人の少し低めのあの声で。
教室の中にはあたしと彼しかいないのに、その言葉があたしにかけられた言葉だと理解するのに時間がかかった。
『今日、俺の誕生日なんだ』
その言葉に、そうなんだ…なんてどこか他人事で。
おめでとう。なんて心の中でお祝いの言葉を言うあたしの肩に。
ポン、と乗せられた手のひら。
『えっ…』
『だから。今日誕生日なの』
振り返って気づく。
あたしたちの二人の近さに。
『お祝いしてよ』
どこか偉そうなのに、その瞳はなんだか優しくて。
『ほ、他の子に…お、祝いしてもらえば……』
慌てて視線を逸らして俯いた。
だって。
そんな至近距離で目が合ったことで。
今、きっと真っ赤な顔をしてるから。
そんな顔を見られたら、自分の気持ちがバレてしまうかもしれない。