俺様彼氏はShy Boy?
昇降口を抜け、人目を避けるように裏門を出て行く海斗の背中をただ見つめて。
強く握られていたはずの手は、今はもう簡単に振り払うことが出来るくらい優しくて。
でも、初めて感じた彼のその温もりを失いたくないと思う自分がいた。
このまま海斗についていけば。
どうなるのかなんて、少し考えればわかる。
なのに、どうして素直についていってるんだろう。
誕生日なんて、嘘かもしれないんだよ?
部屋に連れ込もうとしてるんだよ?
ヤバイと思う自分と、それでもいい…と思う自分。
それは、海斗の瞳が優しかったから?
繋いでる手が、思った以上に温かかったから?
それとも。
“比奈ちゃんがいい”
そう言ってくれたから?
『ここが俺んち』
高校から20分くらい歩いたところにある住宅街。
真っ白な壁に青い屋根の一軒家で、庭には綺麗な花がたくさん咲いていた。
庭を見て、母親の趣味、と笑って。
玄関の鍵を開けると、中に入るようにと背中に回った腕があたしの身体を押した。
少しだけ躊躇した。
でも、せっかくここまで来て…という気持ちもあった。