俺様彼氏はShy Boy?
集団で行動する子達や、メイク直しや歯磨きをする子。
ガヤガヤとうるさい中、あたしたちも中に入っていく。
未来を待ってる間、さっき泣いたばかりの顔を鏡で確認してみる。
ひどい顔…
昨夜、ほとんど眠ってない上に泣いてしまったせいで目が真っ赤。
「ぶっさいくな顔…」
そう呟いて溜息を吐く。
その瞬間、あたしの後ろからクスリと笑い声が聞こえた。
普段とは明らかに違う。
だけど、その声の主を知っている。
なんだか嫌な予感がして、振り返ることを躊躇していると。
あたしの隣に並んできたのは、メイクポーチを持って中からグロスを取り出す美佳だった。
「…美佳……」
あたしの声に何にも反応することなくて、あたしを見ることもなくグロスを塗る美佳の横顔は、同じ年だとは思えないほど大人っぽくて、綺麗で色っぽい。
それに比べて、隣に並ぶあたしの顔はいつも以上に不細工でボロボロで。
そんな姿を見るのが嫌で、ここから離れようとした時だった。
「ねぇ、もういいでしょ? あたしにちょうだい?」
美佳の可愛らしい声が、あたしの鼓膜を震わせた。
鏡越しに美佳を見遣ると、その顔は自信に満ち溢れていて。
何を? なんて聞かなくてもわかってしまう。