俺様彼氏はShy Boy?


『へえ…比奈はそういうつもりで来たんだ』


大胆だね、なんて馬鹿にした言い方をした。


『お望みなら、抱くよ?』


じわじわと近づいてくる海斗に、あたしはビクビクしながら後ずさるけれど。

すぐ後ろの本棚にぶつかって逃げ道を失った。

目の前には、やけに色気を纏った海斗。

後ろは本棚。


『比奈……』


艶っぽい声。

いやらしい瞳。


そんな声で、あたしの名前を呼ばないで。

そんな顔で、あたしを見ないで。


ゴクリと喉が鳴って。

海斗の瞳に捕らえられて逸らせない。

バクバクと暴れだす心臓。


もうダメ…と目をギュッと瞑り、身動き一つとれずに縮こまったあたしを前に。


『ぷっ…』

いきなり吹き出して、

『ぶ、あははは…』


大笑いし始める海斗に、あたしは唖然としてパチパチと瞬きを繰り返すしかなかった。


笑うだけ笑って満足したのか、何もなかったように元いた場所に戻って再びケーキを食べだした。


『食べないの?』


真っ赤な苺をフォークに刺して。

それを一口で食べる。

口許には生クリームがついて、それを海斗の紅い舌がペロッと舐めた。

その仕種が、もう色っぽくしか見えない。


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