俺様彼氏はShy Boy?
「どうした、保坂。また熱でも出たか?」
ん? と、あたしから視線を逸らすことなく柔らかな笑みなんて作るから。
こっちがドキドキしちゃうじゃない。
「な、なにしてるんっ…」
そこまで言って、先生の手に持っているものに気づいた。
先生の手には右手にはタバコ。
左手にはケータイ灰皿。
「いいんですか? 保健室でタバコなんて吸って」
ドキドキを隠すために、しかめっ面で可愛くない言い方。
なのに先生は変わらず柔らかな表情で見つめていた。
みんなが騒ぐだけあって、その容姿は整っていて変に意識してしまう。
しかも、そんな優しい顔して。
そんな顔をするのは珍しくて、ちょっと見惚れてしまったこと気がついてなければいいけど。
「ここ、ちょうど換気扇の下なんだ」
悪びれることもなくそう言う。
手に持っていたタバコを灰皿の中に入れて、ゆっくりと立ち上がりあたしのほうへと歩み寄ってくる先生に、思わず後ずさりすると。
先生はまた鼻で笑って
「とって喰おうってわけじゃないんだから、そんな顔すんなよ」
ポンと、あたしの頭に暖かな温もり。
その瞬間にタバコの匂いがした。