俺様彼氏はShy Boy?


「あたし、須藤くんは比奈を裏切ってないと思うんだよね…」

「そ、そんなこと……」


今さら、そんなことを言われたからって。

あたしはその言葉にどう答えたらいいのかわからなかった。


未来からそっと視線を逸らして、窓の外を見遣れば。

ここから体育館へと続く渡り廊下が見える。

海斗が教室から出て、行く場所なんて…

きっと、その先にある非常階段でしょ?

そこに、海斗はいるんでしょ?


「どうしたらいいんだろうね…」


そう未来に聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟いて、

今は何もついていない耳たぶに触れる。


「ちゃんと須藤くんの話を聞いたほうがいいと思う。ちゃんと話し合ったほうがいいと思う」


未来の言葉に、あたしは頷くことなんて出来なくて。

あたしたちに出来てしまった溝は深くて、もう修復不可能なんじゃないかと思うんだ。


海斗は何度も、あたしに話しかけてくれた。

何度もあたしに何かを話そうとした。

何度も『別れない』と言ってくれた。


それを全部、あたしは拒否してしまった。


それどころか、海斗を傷つけるようなことをたくさん言ってきた。

海斗の傷ついた顔を。

震える拳を、見てしまった。


あれだけ拒絶してきたそあたしには、海斗に合わす顔なんて…ないよね。


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