俺様彼氏はShy Boy?
「焼き始めた頃は悪戦苦闘してたのにね…」
ミッチャンの隣で一緒になって焼いていた女の子が、笑いを堪えながらつぶやいて。
あたしのほうへと視線を送ってくる。
「好きなこの前ではかっこつけちゃうタイプ?」
「おまっ、何言って――」
真っ赤なミッチャンに思わずプッと吹き出すあたしに釣られるように。
周りにいた人たちも一緒になって笑い出す。
「比奈って、たまに残酷だよね…」
「うん。そうだね」
苦笑する未来と拓也くん。
笑いすぎて涙目になった目尻を拭いながら『何?』と視線を向けるあたしに。
「充くんもかわいそう…」
「充、どんまい」
ワザとらしく小さく息を吐いてみせた。
「でも、やっぱりこうやって笑ってるほうが比奈らしいけど」
その視線が、あたしの耳たぶに向いていたことに気がついた。
未来には、何も言っていない。
だけど、未来にはわかってしまうのかもしれない。
耳の傷が治った今だって、あたしの耳には何もついていない。
反対の耳についていた自分の赤いピアスも、今は家に置いたままになっている。