俺様彼氏はShy Boy?
「離し、て…」
本当はそんなこと思っていないのに。
離してほしくなんてないのに。
海斗の気持ちがここにはないのなら、こんなの拷問だ。
ただ苦しいだけじゃない。
「なあ、比奈…」
あたしが耳が弱いってこと知ってて、その掠れた声でわざと耳元で囁いてくる。
そのたびに、ゾクゾクと鳥肌が立って首をよじると。
それを逃がさんとばかりに、また息を吹きかける。
「それって…高藤?」
いきなり出てきた先生の名前に、『えっ…』と驚きの声とともに海斗の顔を見上げた。
やっと見ることの出来た海斗の表情。
そこには、何の感情も感じられない海斗がいて。
その瞳は、氷のように冷たくて。
このまま見つめられていたら凍ってしまうんじゃないかと思うほどだった。
「…海斗?」
「なんだよ、笑わせるな」
ハッと、鼻で笑ってまたすぐに無表情になる。
「……約束、したのに」