俺様彼氏はShy Boy?


「…海斗」


怒りの中に、悲しみが見え隠れしていて。

その表情に胸が締め付けられる。

どうにかその苦しそうな表情から解放させてあげたくて、あたしは海斗の腕に手を伸ばした。


だけど、それは逆効果で。


「触んな!!」


パーンッとはじかれた腕。

その腕にジンジンと痛みが走り、ぶらりと脱力する。


「海斗…」


あたしの小さな呼びかけに、チラリと視線を向け。


「そんな瞳で、見んなよ」


海斗の色のない瞳で、睨みつけられた。

その瞳に、恐怖よりも切なさや悲しみが見え隠れする。

一瞬だけ、泣き出しそうな瞳。

見えたのは気のせいじゃない。


「今度は八つ当たりか?」


先生は相変わらず海斗を挑発して、厭味ったらしく口角を上げて。

その人を嘲笑うような顔に、海斗が気づいたときにはまた飛び掛る勢いだった。


「やめて!!」


あたしの声が、非常階段に響き渡る。




< 416 / 479 >

この作品をシェア

pagetop