俺様彼氏はShy Boy?
顔を少し上げると、目の前には大きな観覧車が見えた。
そこには仲良さそうに寄り添うカップル達が列を作っている。
「…観覧車」
カップル達に有名なジンクス。
頂上でキス。
いかにもなジンクスだけど。
誰もがそんな夢みたいなジンクスを信じて愛を誓い合う。
「あたし……海斗、怒らせ…ちゃって……」
もう、ここから海斗の姿は見えない。
「帰っちゃ……」
うずくまるあたしの前に出来た大きな影。
ゆっくりと顔を上げると、目の前に誰かが立っている。
逆光でよく見えない。
でも、それが誰かなんて…すぐにわかる。
ケータイを耳に当てたまま、時が止まってしまったかのように身動きが取れない。
……戻ってきてくれた。
それが嬉しくて、我慢してた涙がもうそこまで顔を出してる。
あたしの手から奪われたケータイ。
「…笹木?」
そして、聞こえてくる声と頭に感じる温もり。
あたしの大好きな大きな手が、あたしの頭の上に乗ってる。
「比奈は連れて帰るから」
その言葉を聞いた瞬間。
あたしは海斗に抱きついていた。