RE. sEcrEt lovEr
「違うよ。浮気でも二股でもないし、今は友達以上でもそれ以下でもない」

どうやらあたしの考えていることはあっさり見破られていたらしい。

だけど 甲ちゃんが選ぶ人だから、見た目だけじゃなくて中身も素敵な人なんだろうな…

アメリカの人だったらきっと金髪で、八等身で青目の… え?それって…

「キャサリン…!?」

手術の練習用の人形を彼がそう呼んでいたことを、ふと思い出す。

練習用のクセに無駄にスタイルよくて、何故か金髪美人なヘアー&お顔つき。

どこかの芸人さんみたいにアタッシュケースから飛び出した時は心臓が止まりそうなくらいビックリしたし、

たまに卑猥な声まで出すそれの持ち主をあたしは初めの頃かなり敬遠していた、趣味悪って。

なのだが 奇しくも今 あたしのイメージする“元カノ”像にピッタリなわけで…

と、いう事は あの“キャサリン”のモデルが

「違う、違う。あれは隣に住んでた発明家からの餞別。あんなの好んで持ってたら、ただの変態サンだよ」

変態サンじゃなかったんですね…

加速する妄想に終止符が打たれる。
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