誠の誓い
屋敷には、何ら手掛かりが無かった


捜索は、最初から手詰まりだった




時間ばかりがたち

年が明け、近藤らが屯所に帰って来た




「そんなことが…
だが、山崎君らは、春まで帰らん
まだ、時間はある!」





必死に探したが、見つからなかった


「少しいいかしら?」

「ええ、どうぞ」


縁側に座り、考え事をしていると

伊東が声を掛けて来て、横に座る


「考えてみたんですけどね
永倉君は、どうして捕まったのかしら?」

「え?」

「ほら!あの…永倉君が簡単に
捕まったりしないはずよ!
聞いてみた?」

「ううん 聞いてなかった!!
伊東さん!!ありがとう!!」

「女の子に切腹は、させられないわよ」

「俺は、縁だから!!
切腹は仕方ねぇけど…
役に立ってからがいいから!!
ありがとう!!」



バタバタ廊下を走っていく姿に

伊東が微笑んだ



「男の子みたいね…」








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