わたくし、愛しの王太子様に嫁ぎますっ!
それはまるで花の妖精が舞っているように美しく、アベル王太子に注目していた貴公子たちがリリアンヌに目を奪われはじめた。
是非お近づきになりたいと、話しかける機会を虎視眈々と狙う。
そんな独身貴公子たちの視線を感じ、レナードはふと口角を上げた。
「すみません。わたくしこの曲のダンスは初めてで、おかしいですか?」
「そうなのかい?まったくそんなことないよ。大丈夫だ、自信をもって。すまないね、私が笑ったのは違うんだ・・・。ああそう。君のさっきの様子だ。もしかして、アベル王太子に一目惚れしたかな?」
「え?」
「実に挙動不審だったよ」
「あ・・・はしたないところをお見せしました」
確かにさっきの自分の様子は、傍から見れば妙な人だったに違いない。
リリアンヌは恥ずかしくなり頬を染めた。
「やっぱりそうか。だが残念。彼にはもう心に決めた人がいるんだよ。諦めた方がいい」
「そのお相手は、レナードさまがよくご存じのお方なんですか?」
「いや、お相手のことは知らないんだ。彼は大変な秘密主義でね。何度尋ねても言わない。この、幼馴染の私にも。今日こそ、突き止めたいと思ってるんだ」