mariage~酒と肴、それから恋~《4》
恥ずかしくて動けないわたしの側にいてくれたのは聡だけだった。

茶化すことなく、自分の上着を腰に巻いてくれて、先生が来るまでずっとわたしの手を握ってくれてた。


聡は男の子で、玲ちゃんは女の子だから、ちゃんと守ってあげなきゃダメよ。

って。聡のお母さんに言われてた幼稚園の頃から変わらない。


大人になって大きな手になった。

すっぽりと包まれてて、それだけで守られてるような気分。


言い様のない嬉しい気持ち。


この手を誰にも取られたくない。

それだけは確かに強く思う。


繋いだ手をにぎにぎしながら、聡を見つめ、それからそっぽを向いて口を開いた。

「これからも、こうしてずっと一緒にいて欲しいんだけど」


横目でチラッと見ると、呼吸をするように自然な流れで聡は微笑んだ。

「うん。一緒にいよう」


「お見合い行かないよね」


すると、聡は申し訳なさげに首をすくめて、ヘラっと笑った。

「行かないよ。てか、実は初めから断ってるんだよね」


「はぁ?!何それ!騙したの?!カマかけたの!?」
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