Where it is stuckー滞っている場所ー
「あっちは、どこでナンパされたか覚えていないのか?」


一番奥の席に座っている蕨が、顔を出した。



「ああ、そうだな。場所が分かれば、防犯カメラなんかで確認できる!!」




望月はにやりと笑みを浮かべた。



「麻婆丼」



平子の前に、りーさんの優しい声と共に美味しそうな麻婆丼が置かれた。



この店では、りーさんが日本語が苦手なために、このように料理が急に出てくる。



望月が急な料理の登場に驚いている間にも、料理は捜査員達の前に次々と置かれていく。



天音は担々麺、蕨はチャーハン、望月は蟹あんかけチャーハン(略して蟹チャー)、秋鹿は天津飯、高崎は中華丼を頼んだようだ



「ん!うまい!」


望月が、蟹チャーを頬張りながら言う。


「その、俺がどこでナンパしたのかを知るには、どうすれば良いので?」


店内には、食器のカチャカチャという音が響いている。


「枕崎に聞くか、相田さんと会って聞くかだね」


平子も、望月と同じく、麻婆丼を頬張りながら話す。


「でも、それってもう警察がやっているんじゃないですか?」
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