Where it is stuckー滞っている場所ー

望月の心

『ただいま~』


誰もいない事務所に捜査員達が口々に声をかける。


「いや~旨かった。」


靴を脱ぎながら高崎が言う。


「そうだな、前よりさらに美味しくなった気がするな」


すでに靴を脱ぎ終え、短い廊下の先にいた蕨が答えた。


すると、


「おい、後ろで待っている人が見えないわけ?」


と、高崎の後ろで靴を脱がず待っている望月が皮肉っぽく言った。


いつもの口げんかの始まりである。


ちっと高崎は低く舌打ちをし、言い争うときによくする表情に変わった。


「お前こそ、今俺が靴脱いでるの見えないわけ?」


「ああ?」


望月は、田舎のやんキーのような返事をした。


「そんなんじゃ、女の子にもてないよ(笑)」


「は?もう一回言って・・・」

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