Where it is stuckー滞っている場所ー
パタン、と部屋の扉が閉まると、やれやれとでもいうように、平子は軽く首を振った。


その平子の横を、高崎が、首をさすりながら通った。


高崎は、喧嘩した後に、よく首をさするのだ


「てか、今回の藍斗、弱かったね、」


高崎が白のソファに座ると、向かいの薄い水色のソファに座っていた蕨が話しかけてきた。


「いつもだろ」


高崎は、スマホを取り出し、いつものようにぶっきらぼうに答えた。


それを見て蕨は、


「相田さんのことで、プレッシャー感じてるのかもね。」


と、高崎の目を見て言った。


蕨の言葉は、喧嘩の後で興奮している高崎を、逆撫でしてしまったようで、


高崎はいつもより低い声で、


「なにそれ、気遣えってこと?」


と言った。


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