Where it is stuckー滞っている場所ー
「ちょっと、笑ってないで流して~」


秋鹿の本当に困った声を聞き、まだ笑いながら、蕨は、


「ちょっと、手どけて」


と、蕨はバスタブから身半分乗り出し、


秋鹿の頭の上にある泡を、丁寧に流してやった。


蕨は、泡を流し終わると、湯船に肩までざぶんと浸かった。


「目痛い、、、」


湯船に浸かり、ゆったりしていた蕨の隣で、秋鹿が目を触っている。


「鳳、あんまり触ったらダメだって、水で洗って来たら?」


蕨はバスタブの縁に顎を乗せ、秋鹿に言った。


秋鹿は、うんと頷くと、風呂場から出ると、


蕨が心配そうにドアの隙間から洗面台を見やる
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