夫の教えるA~Z
恐怖の俺様男、『大神秋人』に意見するなんて、私とっては初めてだ。

私はゴクリと唾を呑むと、スゥッと呼吸を整えた。


「……あのね、アキトさん。私は、
アナタに…あんまり無茶をしないで欲しいんです」

暫く間を置き、彼はフーッとため息をついた。

「やっぱり。
さっきヤブ医者が言ったの気にしてたんだ。
あのなトーコ、あんな数値は人それぞれ、俺は至って健康、元気。
第一、この俺をフツーの奴等と一緒にすんなって…」

「そう、それ。それなんですよ!
私が心配なのは、アナタのそういうとこなの」

「………そういうとこ、とは?」
彼は怪訝そうに首を傾げた。
目が笑っていない。

や、やっぱりコワイ!
だが。
私は心を強く持った。

「確かにアナタは健康だし、顔もスタイルも頭も良くて、スマートに手がきれて…仕事だって何だって、
誰よりもよく出来る」

「フッ、何だよ今更。
そんな当たり前のコト……」

何故かどや顔で髪をかきあげた彼は、ちょっぴり嬉しそうだ。

私は更に続けた。

「ううん、それだけじゃない。
結果を出すために人一倍努力だってしてる」

ウンウンと得意気に頷く彼。

「………ですが」
そこで私は言葉を切った。
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