夫の教えるA~Z
で、結局。

「こ、こんにチワー」

「あらトーコちゃんじゃない。
どうしたの、寒そうな格好して」

私は、郊外にある彼の彼の実家へやって来た。

奥から出てきた夏子姉さんは、驚いた様子で、しかしニコニコと手招きした。

彼女は実家暮らしなのだ。
 
 
「…夏子さぁん…」
「ん、どした?」

迎えてくれる家の暖かさに、一気に緊張が緩んだ私は、

「ぶぅわああああん、夏子さーーん‼」


出会い頭の彼女に、思いきり泣きついてしまった。

「と、トーコちゃん?」



 
……………

「アイツ………ぶっ潰す。
顔のカタチ変わるまで殺ったるわ」

私は、夏子さんに全てをブチまけていた。

彼女は私以上にハラを立ててくれていた。

「ううっ、夏子姉さんありがとう……
でもそれはイヤです」

彼からカオを取ったら、一体何が残るっていうんだ。

メソメソしている私に、彼女は優しく言った。

「全く、あのエロガキ……
まあ、その女の子もだいぶイってそうだし、大丈夫だとは思うわよ?

アイツ、キモチ悪いくらいトーコちゃんにベタ惚れしてるしねー」 

夏子さんは、ポフポフと頭を叩きなかがら、私を元気付けてくれる。

「…そうでしょうか…」

しかし私は、すっかり自信を無くしていた。
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