夫の教えるA~Z
だけどちょっとだけ……

いつものシカエシ。

私はニヤリと口角を上げると、
瞳を開けた途端、彼の唇を奪ってやった。


半開きの唇の綴じ目から舌先を入れ込むと、彼のを下から掬いあげた。

幾度となく教わったいつものキス。
それを、そっくりそのまま彼に返す。

軽く舌先を転がし絡ませながら自分の中に誘い込み、深く吸いつくように絡めあう。

暫くすると、準備のできてなかった彼は、ちょっぴり苦しそうに私の頭をポフポフ叩きだした。

それを合図に軽く舌を甘噛みすると、ようやく彼を解放してやった。

「秋人さん、
見つけてくれてありがとう。
それからね……

お誕生日、おめでとう」

照れ笑いとともに告げた私に、
彼は、信じられないくらい真っ赤な顔をして返事した。

「……ありがと」


日が変わるまでに伝えたかった言葉も言えたし、
何よりオトメみたいな彼がとっても可愛かったから。

私のこれまでの鬱憤は、それでスッキリてと晴らされた。

フッフッフ。

最近私、ちょっと彼に似てきたのかもしんない。
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