夫の教えるA~Z
 ううっ…
 ヒドイよ、ヒドイよアキトさん。
 
 お昼過ぎになっても、私はベッドに寝転んで、いつまでも悲嘆に暮れていた。
 昨夜から抱き締めていた彼の枕は、私の涙ですっかり湿っている。

 何さ、たまのお休みには、いつもちょっと暑苦しいくらい、私を構いにくる癖に。
 せっかく今日は私から、かまってあげようとしたのにさ。
 
 別に私、元々課長のこと好きだったわけじゃないんだし?そんなに冷たくするなら、もう嫌いになっちゃいますわよん?

 …なーんてね。
 ウソだよ、ウソウソ。ウソですってば。
 大好きなんだよー、嫌がるフリして、ホントはいつも捕まえてくれるのを待ってたんだよー。

 うわーーーーん!!!


 て、待てよ?

 ガバッとベッドから起き上がると、私はこれまでの一連の出来事を思い返した。

 …………。

 そうか。

 分かった。


 
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