夫の教えるA~Z
「…という感じです。
ま、大神さん、コンディション完璧ですし、そんなに気にされることもないですけど。
飲み会多いってことなんで、これからシーズンですからね~。
そういうときは、バランス崩れがちなんで、野菜や果物はいつもより多目にとって」

春日はスマートに説明を終えると、俺にカラフルなプリントを手渡した。

「それから、これ。
全てのビタミンとれる朝ジュースのレシピです。それとも、奥さんに渡しといた方がいいですかね~」

くそ、ちゃんと見てんだな。
トーコちゃん→奥さんにきっちり直してきやがった。
人当たり良く、流暢で分かりやすい説明。
若作りの外見や軽い調子も、イヤな感じは与えない。

全くもって。

_____姉ちゃんの好きそうなタイプだ。

半ば頭をかかえつつ、俺は彼をつついてみた。

「そういえばこの間から、あなたのレシピだって料理がたびたび夕食に並ぶんですよ。
何だったかなー、そうそう。スズキのノンオイルカルパッチョとか」

「ああ、あれ」

彼は、クスッと笑った。

「そうそう。スタッフ有志で時たまやるんですよ。いやー、大神さんは幸せですねー。奥さんはお料理上手だから。
僕も、教えがいがあります」

「はは…それはどうも。
そういえば、
夏子…いや、姉さんも?姉さんも一緒にやってるって聞きましたけど」

「え___」
< 238 / 337 >

この作品をシェア

pagetop