夫の教えるA~Z
まず手始めにわたしは、目の穴から、彼の様子を窺った。
(勿論その間、着ぐるみのプロとしてのパフォーマンスは忘れない。ジェスチャーやピョイピョイ跳ねたりしながら、だ)

予想では、いつまでも席に戻ってこない私の姿を探し、さぞや青い顔をしている頃であろう…

クックックッ。
大神君よ、プレイボーイも型無しだねえ。

と、

「イヤー、頼むよ大神君。0.1円だけでいいから単価下げてよ。その分発注増やすからさ。聞いてるよ~?大神君が行ってから、黒転してるらしいじゃない」
「いやまあ、そんなことはないですが…
でもま、
こんな目出度い席で槇原社長に頼まれたら、イヤとは言えませんよ、アッハッハ」

めっちゃ呑気に商談おっ始めてやがる!
しかも隣のハ◯チャビンは何者だ?そこは一応、私の席なんですけど!?

「あれれれれー?タワワちゃん、どうしたのかなー?」

打ちのめされ、ガックリと膝を付いたわたしに、司会の人がうざったいツッコミを入れる。
それにわざわざジェスチャーで答えてやりながらも、心はふつふつと煮えて滾っている。

くそー、あいつめ。
わたしのことなど、まるで眼中にないってか?
お正月には、あんなに(激しく💗)執着してたのにぃっ!!(※詳しくはQのお話を見てネ)

わたしはがぜん怒りに燃えた。


びっよーん!

わたしがアクロバット並みの鮮やかさで飛び上がると、
「おお~、タ○ワちゃん!」
司会の人が、声を上げて盛り上げる。

チッチッチ…
指を振っている感覚で、まあるい形の手を振り、司会者さんに応えてやる。

それからわたしは、徐に大神秋人(ばかやろう)の後ろに回りこんだ。

復讐の、始まりだ。
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