夫の教えるA~Z
「あー、松田くんのことですね」
のんびりと返し、再び卵焼きに挑もうとしていた私に、夏子さんはぐっと顔を寄せ、同意を求める。
「揉むか普通、ヒトのムネを。いくら私をアキトと間違えたからって…そもそも、アイツ、松田とやらにとっちゃ社長なんでしょ?
社長のムネ揉む社員って有りなの?
普段ねアイツら、いったい何やってんの。
いい、トーコちゃん。フランクな関係でありたい、なんて薄っぺらい甘言を吐く男なんて、絶対付き合っちゃ駄目だからーーっ、
ワーーーーーンッ」
「夏子さんそれ、あなたの弟…むがっ」
叫ぶだけ叫ぶと夏子さんは、ムギュッと私を抱き締め、大声で泣き出した。
お陰で私は、卵焼きをろくに味わえず、飲み込んでしまったわけだが…
要するに夏子さんは、うっかり松田くんの狼藉を許してしまったことが、とても恥ずかしかったようだ。
普段クールで大人な夏子さんが、大声を出して嘆く様は、ちょっとだけカワイイ。
男勝りで強気な夏子さんだけど、案外、純情なのかも知れないな…
そんなことを考えながら、私は懸命に夏子さんを宥めた。
「わ、わかりました、今度飲み行きましょう、ね。今は言えない話も含めて、パーッと憂さ晴らししましょ、ね」
「うん…うん…トーコちゃんありがと…グスッ」
と、そんなことがあって、
そこまでは別によかったのだが…
のんびりと返し、再び卵焼きに挑もうとしていた私に、夏子さんはぐっと顔を寄せ、同意を求める。
「揉むか普通、ヒトのムネを。いくら私をアキトと間違えたからって…そもそも、アイツ、松田とやらにとっちゃ社長なんでしょ?
社長のムネ揉む社員って有りなの?
普段ねアイツら、いったい何やってんの。
いい、トーコちゃん。フランクな関係でありたい、なんて薄っぺらい甘言を吐く男なんて、絶対付き合っちゃ駄目だからーーっ、
ワーーーーーンッ」
「夏子さんそれ、あなたの弟…むがっ」
叫ぶだけ叫ぶと夏子さんは、ムギュッと私を抱き締め、大声で泣き出した。
お陰で私は、卵焼きをろくに味わえず、飲み込んでしまったわけだが…
要するに夏子さんは、うっかり松田くんの狼藉を許してしまったことが、とても恥ずかしかったようだ。
普段クールで大人な夏子さんが、大声を出して嘆く様は、ちょっとだけカワイイ。
男勝りで強気な夏子さんだけど、案外、純情なのかも知れないな…
そんなことを考えながら、私は懸命に夏子さんを宥めた。
「わ、わかりました、今度飲み行きましょう、ね。今は言えない話も含めて、パーッと憂さ晴らししましょ、ね」
「うん…うん…トーコちゃんありがと…グスッ」
と、そんなことがあって、
そこまでは別によかったのだが…