夢の続きは隣の部屋で…

受け取った荷物を部屋に置き、カーテンを開ける。

1LDKのこのマンションは、玄関を入ってすぐにトイレや浴室があり、キッチンやリビングを経由した先に寝室がある。

寝室はウォールドアになっていて、全開にすれば広々ワンルームとして生活することもでき、汎用性が高くて良い。
まだまだ未開封の段ボールが山積みで、快適な生活が出来るにはほど遠いが、いずれは私だけの素敵な空間を作り上げようと乃里花は心に決めた。


「あっ、ゴミ捨てしなきゃいけなかった!」

のんびり朝ごはんにでもしようと思ったが、昨日お母さんが帰るときにまとめてくれたゴミ袋を、1階のゴミ捨て場まで持っていかなくてはいけなかったことに気付く。
一人暮らしをすると、なんでも自分の好きに出来る反面、こういった面倒なこともしなくてはならない。乃里花は引越し2日目にして親の有難味が分かるなって思った。

「たしかゴミ捨て場は…1階の、外かな?」

玄関にとりあえずと置いてあったサンダルを履き、ゴミ袋を片手に玄関を出て、いそいそと1階に向かう。
エレベーターに乗るのはなんだか慣れないので、乃里花の部屋がある4階から階段を使って降りることにした。

「えっと、あっ、ここだ。よいしょっと」

乃里花はマンションの建物の外にあるゴミ捨て場を見つけると、ゴミ袋をポイっと置き、手をパンパンとたたいた。

「よし、これでオッケー!帰ろ…っ」

ゴミ捨てのミッションを終え、自分の部屋に帰ろうとしたが、乃里花は重大な事実に気が付き一瞬で固まってしまう。

「このマンション、、オートロックだった!」
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