毛布症候群

だからなんで名前。

「今回の結果……」

「おめでとうおめでとう」

「手抜いたのか」

は、と口が開いた。マオが楽しそうにこっちを見ているのを感じる。

「どうしてあたしが手……」

言いながら思い出した。

“じゃああたしに勝ったら告白するってのはどう?”

タイミングが悪過ぎる。
あの時の自分の口を塞いでやりたい。

「やめてよ」

掌を見せた。

「だってあたし、羊佑のこと好きだって言ったでしょ」

すんなりと言葉が出た。

冗談だと言わないと、羊佑が困る。
だってほら、責めようとしていたのに黙ってしまった。

「きゃー、公開告白ー」

マオの冷やかしの声が入る。そちらを見ると呆れた顔をされた。それでもあたしは助かった。



< 104 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop