毛布症候群
だからなんで名前。
「今回の結果……」
「おめでとうおめでとう」
「手抜いたのか」
は、と口が開いた。マオが楽しそうにこっちを見ているのを感じる。
「どうしてあたしが手……」
言いながら思い出した。
“じゃああたしに勝ったら告白するってのはどう?”
タイミングが悪過ぎる。
あの時の自分の口を塞いでやりたい。
「やめてよ」
掌を見せた。
「だってあたし、羊佑のこと好きだって言ったでしょ」
すんなりと言葉が出た。
冗談だと言わないと、羊佑が困る。
だってほら、責めようとしていたのに黙ってしまった。
「きゃー、公開告白ー」
マオの冷やかしの声が入る。そちらを見ると呆れた顔をされた。それでもあたしは助かった。