毛布症候群
てかさ、と続ける。
「硝子が始めたんだから、硝子がちゃんと自分で決めなよ」
そして、マオの厳しいところだ。
「うん、マオってたまに大人みたいなこと言うよね」
「まあ硝子よりは年上だし」
「数か月でしょ」
「一年」
顔を見上げた。成長期というのは不思議なもので、またマオの身長が伸びている気がする。
ていうか、今なんて。
「僕中三でだぶってるんだよね」
おお、とノックもせずに扉を開けると御梶間先生が声を出した。
「久しぶりだね、元気みたいで」
「先生、あたし今人生で一番大変な時期にいるのかもしれない」
断りもせず先生の座っている前の椅子に座る。怪訝な顔をしながら、お茶の入ったカップをテーブルに出してくれた。