毛布症候群
天川先生のこと、羊佑のこと、マオのこと。
「とりあえず飲みなさい」
カップを飲み干した。御梶間先生はふむふむとノートにメモした文字を読んでいく。
「うまく付き合う方法を考えないとね」
「誰と?」
「自分と」
言われて、考える。爽やかな風を感じて今更窓が開いていたことに気付いた。
あたしは、あたしとうまく付き合っていなかったのか。
「夢を見るってことは、確かに他人の頭を覗く行為になるのかもしれないけれど、それがその人の全てじゃないからね。分からないなら、きちんと自分の言葉で尋ねることが大事」
「それ、マオにも前言われた」
「マオくんもきっと、いろんな壁を乗り越えてきたんだろうね」